土木部のとある現場の始まりから終わりまで

サカキ建設工業は北海道の十勝清水にある建設会社です。
今回は土木部より、ひとつの現場の作業開始から完成までの流れを紹介します。

今回の現場は民家に建てるカーポートの地面を砂利道からコンクリート造にしちゃいます!

弊社の土木部は、もっと規模の大きい公共工事がメインの仕事なのですが、今回は会社の同僚の新居ということで特別出動です!

規模は違えど、土木仕事の基本の流れは同じ。土木部ってこんな事してるんだ。と参考になれば嬉しいです。

 


作業日:0日目

・土木業もパソコン無しでは仕事になりません!

まず、工事を開始する前に現場の視察と見積を行います。

今回は違いますが、公共工事の場合は現地の確認(測量、地盤調査等)をし、工事の設計内容に問題無いかチェック(照査と言います)を行い、どのような計画で工事を行うか施工計画書を作り、発注者に工事開始の許可を得ます。

他にも、現場事務所を建てたり、一緒に工事施工をしてくれる下請け会社さんを探したり、材料はどの商社さんから購入するか検討したり、、、と作業開始までの道のりは長いです。。。

でも、今回は特別出動なのでスキップです♪


作業日:1日目

・朝礼風景。毎朝の打合せはとても大事!

8:00~
会社の土場(倉庫)に集合。今日の作業の打ち合わせ、作業分担等を行います。
このとき行われるのがKY。KYとはなんでしょう?「空気読めない人」ではありません!「危険予知活動」の略で今日行う作業に対する、危険度を事前に考え、対策と共有をすることで事故防止しよう!という活動です。建設業の毎朝の定番ですね。


・大中小とサイズ順に並べてみました!

8:30~
打ち合わせとKYが終わったら今日の作業に使う道具や材料を準備をします。
今日は現場へ計4台のクルマで向かいます。

・1号車:測量道具などを積載した 職長(リーダー)が乗る連絡車
・2号車:写真左のセルフローダー。バックホウ(ショベルカー)や転圧機械などの大型重機を積み込みます。オペさん(重機の運転手)が乗ります。
・3号車:写真中央のダンプカー。今回は4トンダンプと言って、中くらいのサイズです。 作業員さんが乗ります。
・4号車:写真右のダブルキャブピック。土木仕事の定番車です。人も道具も積載出来ます。筆者が乗ります。


・ダブルピックからの風景。前を走るのはセルフローダーです。

9:00~
皆そろって出発!今日は天気も良くて作業日和ですね!
会社がある十勝地方は「十勝晴れ」といって天気が良い日が多い気持ちの良い地方です。
真ん中アスファルト、両サイド広大な緑の畑、上には澄み渡る大きな青空。十勝の日常風景です。
筆者は十勝が地元ではありませんが、この景色を見ると、あぁここに住んで良かったなと思います。


・セルフローダーの車体を斜めにして重機を降ろします。

9:45~
現場に到着!今回の現場は帯広市の隣町、音更町という街です。
早速セルフローダーから重機を降ろして作業の準備をします。


・今回使用したバックホウ(ショベルカー)は小サイズ。コンマニ(0.2m3級)って呼ばれてます。住宅地向けの大きさです。

10:15~
準備が完了したら作業開始です。砂利の駐車場を土間コンクリート製にするのに、まずは砂利とその下の土を掘削します。

掘削した土砂は、ダンプカーに乗せて土捨て場に運搬します。


・掘削時は何が出てくるか分からないので注意!

10:30~
おっと早速問題発生。
ガス管が出てきました。土砂掘削時は何が出てくるか分かりません。木や岩、先人達がこっそり埋めたゴミ等ならまだ良いのですが、ガスや水道、光ファイバーなどの管を傷つけてしまうと一大事です。なので土砂掘削時は作業員が見極めながら掘り進めます。
今回は家主とガス会社に連絡の上、作業再開!

 


作業日:2日目

・実はこの砂利は不要になったコンクリート殻から作られたエコな砂利です。

8:30~
今日は現場に直接集合して作業開始です。
昨日までの作業で土砂掘削と土台となる砂利入れ、整地は終了してます。今日はコンクリートを流し込む型枠の製作をします。


・打設準備完了!

いきなりですが、完成風景。型枠を作って、中にはメッシュや目地材と呼ばれるコンクリートの劣化を防止する工夫をしてあります。

 


作業日:3日目

13:00~
今日は生コンの打設日。今回の工事で一番重要な作業です。
アジデータ(ミキサー車)が現場に生コンクリートを持ってきてくれます。バックホウで受け取って型枠に流し込みバイブで空気を抜いて表面を平らに均します。2回均して表面をツルツルにしたら、最後に滑って転ばないよう表面をザラザラにするよう加工します。
生コンは文字通り生ものですので手際の良い作業が大事です!


・打設完了!

17:00~
作業完了!あとは上に養生シートをかけて固まるまで、水を掛けながら数日待ちます。


作業日:4日目

・生コンは化学変化で固まります。現場の状況に合わせて色々種類があります。

9:00~
あれから数日が経過。白いのは養生シート。生コンは温度と湿度が重要です。湿潤養生といって草木に水をあげるようにコンクリートにも水をまいて硬化を待ちます。
数日経って十分硬化したので、今日は脱型といって型枠を取り外します。


なかなか良い仕上がり!土間コンならアスファルトと違い自動車整備も出来ますね!

11:00~
型枠を取り外して完成!
表面もキレイだし勾配もあって水はけも良い。なかなか上出来。

よく見ると四隅がポコンと盛り上がっています。この上にカーポートの柱を固定してカーポートが建ちます。ここから先はカーポート屋さんの作業です。

僕らは片付けて終了!


 

ということで、土木のひとつの現場が出来上がるまでをご紹介しました!

公共工事だとこの後、「完成書類」という10冊以上の書類作成と出来ばえを評価する「検定」というのが待っています。。。が、今回は特別出動なのでありません♪

今回の現場は作業日も数日でしたが、弊社の普段の仕事は準備から完成まで半年程度かかる仕事が多いです。

そんなこんなで規模や内容に違いはあれど「工事のキホン」は同じです。

(どの業種も同じですが)建設業も大変なことは当然あります。ですが、今回のように良い出来ばえだとやりがいあって嬉しいものです。十勝の広大な青空の下、自然を感じながら仕事を出来るのは幸せなことかもしれませんね。